イラン〜アフガニスタンの国境近辺で遊牧生活を営んでいた、バルーチ族によるものです。幅の狭い、細長い絨毯ですが、これがオリジナルの大きさです。バルーチ族による絨毯は幅の狭い絨毯が多く、移動生活を営む際にはその方が適している（クルクルっと簡単に取り扱える）からと聞いた事があります。 縦約140㎝（上下のキリム・フサを含まず）、横約70㎝です。細長さを生かして、廊下や玄関の上がり框、ベッドサイドなどに敷くのに丁度良い大きさです。飾り棚の前などに敷いてもお部屋のアクセントになるかと思います。 茄子紺とローズピンクがメインの絵柄です。幅の広いボーダーと中央の細長いフィールドからなるシンプルな絵が、バランス良く収まっています。全体的にも歪みは少なく、手仕事の上手な女性によって織られたようです。ボーダーには様式化された枝葉と花のモチーフが繰り返され、フィールドにはお花が描かれています。 フサの結び目が緩んだり、解けているとこれがありますが、上下端のキリムエンド（平織りの部分）が残っています。また、セルベッジ（左右の端）は何本も太いコードを内部に入れて、山羊の毛かなにかできっちりと補強されている、作成当時の姿のままと思われます。 惜しむらくはフィールドのやや目立つ位置に修理の跡があることです。その他にもそれほど目立ちませんが、二箇所程修理跡があります。 パイルは全体に揃っていて色褪せはほとんど目立ちません。 写真2枚目は下半分、3枚目は上半分、1枚目は日干しした際に撮影しました。4枚目のように裏側に数字が記入されています。 購入時はかなり汚れていましたので、ウール用洗剤で洗濯しました。現在は、個人的な感覚ではありますが、頬ずり出来るくらい綺麗です。我が家では床に敷いて半年程使用しました。 オールド キリムから始まり、トライバル ラグ・部族系絨毯と言われる中近東の毛織物にはまり、数年前に欧州在住のコレクター/ディーラー様から譲り受けたものです。気に入って入手したものですが、収納スペースが手狭になり整理のため出品します。オールドキリムや絨毯がお好きな方、古い手工芸品に理解のある方にお譲りしたく思います。長い年月を経てきたなりの難がありますが、作成し使用してきた人々や歳月に思いを馳せつつ、現状のまま愛でて下さる方の購入をお待ちしております。 家庭内に喫煙者・ペットはいません。